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PTSD?と診断された女子アナウンサーについて

PTSDと診断されて入院までしていた女子アナウンサーが、短期間で寛解して海外へ旅行に行ったり、写真集を出版するなどということが可能なのだろうか、詐病ではなかったのか、という疑問を持つ人がいたとしてもおかしくはない。もともとPTSDという病名は、戦争で人が無惨に死んでいく悲惨な場面の数々を目撃して、そのフラッシュバックが何年も続いて、精神が崩壊していくというイメージを抱いている人が多いだろう。

そのイメージと比較すると、性的被害というのがどれ程のものかは分からないが、短期間でもともとの活発な状態に戻れるというのがまずもって、その診断に疑問を持たれる要因となっているのだろう。厳密に言うと、トラウマとなる出来事があって、1ヶ月未満しかフラッシュバックなどの症状が続かなければ急性ストレス障害と呼ばれ、それが1ヶ月以上続くようであれば、PTSDと診断するという捉え方がされる。

医師が診断する場合に、どこまで厳密に診断基準を考えているかというと、基本的には本人の訴えと、こういう状況に置かれていて被害届けを出したいから助けてほしいという訴求力に基づくので、特にPTSDのような稀にしか診ることのない病名の場合は、状況から安易というか、形式的に診断書を発行することはそれほど珍しいことではないといえる。

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