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仕事を休むときの診断書について

仕事を体調不良で長期間休む場合には、会社から診断書を求められることが多い。これは労働者側にとっては、のちのち傷病手当金を請求することにつながるというメリットがある。都市部の心療内科クリニックでは、その日にいきなり受診する初診の方のほとんどが、この休職診断書を目当てに来る(直接そうは言わない人も多いが)パターンである。そのため、今ではこの診断書作成に特化したオンライン診療を行うクリニックまで出てきている。

会社の人間関係のストレスで、働き続けることができなくなって休むという場合には、たいてい適応障害などの病名がつくことが多いと思う。厳密にいうと、この病名をつけると、会社の労働環境に影響があるとみなされると、最悪労働基準監督署の案件になってしまうので、そのあたりを厳密に捉える会社であると、病名やその原因について、細かく指定することがあるが、たいていの場合は、労働者は休みたいだけで、会社の事務方は就労規則にのっとって、事務処理を進めているだけなので、病名のことでややこしい事態になることはほとんどない。

ただし、休職から復帰する際に、会社のほうでは労働環境配慮義務というのがあって、以前と同じ労働環境で復帰させると訴訟された場合に100%負けてしまう。なので、メンタルに問題がある人を復帰させる場合には、会社側は最大限の配慮を行わなければならないのだが、実際のところ大半の中小企業では、今までの慣例から、そのあたりをいい加減に解釈して、復職診断書などの書類関係だけ揃えさせて、また同じことを繰り返しているところも多い。結局、労働者側も生活に余裕がないことが多く、実際に訴訟を起こそうというエネルギーを持った人はまれなので、それが大きな問題になることは少ないのである。

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