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医師転職会社の話

 求人を探そうと思ってm3のサイトで検索をかけると、いままで見たことのない医師専門の転職会社が、毎年のように増えていることに気づく。医師転職にかかる手数料が非常に高くて、かつ病院と医者を仲介するだけで、短期間で数百万円入ってくる非常に効率のいい仕事のなので、少人数で会社を立ち上げる者が出てくるのだろう。転職会社については、雇う側はあまりよく思っていない人が多いと思われるが、雇われる側からすると、まだまだブラック体質がはびこる業界なので、第三者を仲介させて、トラブルに備えるに越したことはない思う。

 昔、脱毛クリニックなどの自由診療業界に転職活動を行ったことがあった。スポット勤務以外では、これまで一般的な総合病院や、保険診療のクリニックとしか接点がなかったため、当時はなんとなくのイメージで、保険診療の業界のほうが規則にルーズで、自由診療のほうが、きっちりしているという先入観があった。けれども実際は、自由診療の業界ほうが営利目的でわりきって(自分たちに都合のいいように)、求職者をコントロールしようとするためか、それとも需要過多で雇用側のほうが立場が強いためか、面接後に採用結果が判明するまでの時間が長かったり(ひどいところは、面接から3週間後に採用の通知を出すところがあった)、求人条件の内容を変更したうえで、意に沿わない回答があった場合は、平気で返答まで時間を引き延ばす、ということに直面して面食らってしまった。

こういう時に、第三者的な立場の転職会社が仲介してくれると、こちらはとても安心できるのだが、実際は雇用側の立場が圧倒的に強いので、彼らが役に立つ場面はほとんどないといえる。また人の入れ替わりも激しいので、長期的に転職会社の人間と関係を築いていく機会は少ない。お互いが使い捨てのような関係性というか、まあ業界そのものがそういう雰囲気を帯びてしまっているのかもしれないが。

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